その3ヶ月 ~おもひでぶぉろろぉぉん~
「おもひでぶぉろろぉぉん」のために読んでいた「pee★pee★mur★mur」(はてなダイアリー・現在非公開)の、2006年4月24日付の記事で、
「「purope★papiro★cantabile」から引き継いで、合計800日ほど続いていた毎日更新を、このたびやめることにした」
という記述があり、なるほどその次の記事はと言えば、4月28日付だったりする。
日記の毎日更新は、「USP」の途中でやめたという印象があり、それまでは創始以来ずっと続いていたと勘違いしていたので、読んでいて少しびっくりした。
それで、別に毎日更新でないことそのものはぜんぜん構わないのだけど、2006年の春から初夏らへんというのは、大学を卒業して、就職をしなくて、それなのに実家を出て、ファルマンと5分の4同棲を始め、それでもGW明けとかになんとか就職するんじゃなかったっけかな、という期間で、たとえ毎日更新をしていたとしても、そこまで実生活のことを赤裸々には書かなかったろうけど、学生から社会人へと移行する、このあたりのしんどい日々、あんまり日記を残していなかったというのは惜しいことだな(しんどくて書けなかったというのもあるのだろうが)、と思った。
思ったのも束の間、その24日付の記事の最後に、「毎日とかは手書きの日記だけでいい。」という記述があり、ええー、とまたびっくりした。17年前の自分に、ジェットコースターのような体験をさせられた。
手書きと言えば、「俺ばかりが正論を言っている」である。しかしこの手書きブログの開始は2006年6月19日であり、どうやら「俺ばかり……」に画像としてアップし始める前のカード日記というものが存在するようだ、ということになった。もっとも存在するようだもなにも、情報カードに記す手書き日記自体は、高校生の頃にその習慣を始め、大学卒業までに何千枚も書いているのだ。それは実家に(たぶん)今もあり、たまに思い出しては、あれはいつどのタイミングでどう処理されるべきものなのだろう、と途方に暮れたりもする。しかし4月24日にやっているそれは、実家を出てからのものである。要するに、3月末に実家を出てから、6月19日に「俺ばかりが正論を言っている」を開始するまでの、約3ヶ月、前述の通りしんどくて、ウェブ上の日記さえろくに書けなかったその期間、誰の目にも触れることなく、しこしこと書かれたカード日記がこの世に存在する、ということだ。
そのことをファルマンに話したら、あっさりと「うん、あるよ」と言って、クローゼットの奥から出してくれた。ふたり分の、手書きだったり、印刷物だったりの創作物がまとめられた、日本大学夢見がち学部生のカルマの詰まった、物理的にも精神的にも重たい塊であった。
その中に、少々しっかりした紙であるとは言え、何十センチもの厚みになった、何千枚とも知れない情報カードの群があり、日付や内容を確認すると、どうも高校時代に書いたものも一部含まれているようだったが、幸いなことに、しっかり目的の期間のものも保存されていた。
その期間、3月24日から、6月5日まで。親切にナンバーが振ってあったので、何枚あるのかはすぐに分かった。193枚。多いような気もするし、少ないような気もする。当時の境遇的に、なかなかヘビーな内容なのではないかという予感がして、実はまだ最初の1枚と最後の1枚しか読んでいない。読んでいくにあたり、こうして「おもひでぶぉろろぉぉん」の中で、これこれこういうわけで読むことにしたのだ、という前置きをして、少し行為を企画めかせるというか、茶化さなければ、実直に相対してはとても読めないと思った。そのため今回、このような記事を書いた。
なのでこれから読んでいく。ひりひりするような記述が、あってほしいような、なくてほしいような。「おもひでぶぉろろぉぉん」、とんでもない扉を開けてしまった。