2004年ブログ元年 おもひでぶぉろろぉぉん・1

 おもひでぶぉろろぉぉん、ということで、過去の日記を読み返している。まだ2004年を読み終えていない。2024年の20周年を照準に、こうして1年以上前から開始したこの企画だが、1年あまりで20年分の日記を読むなんて、けっこう困難なのではないかと思えてきた。なにしろ2013年くらいまでは、基本的に毎日更新だったのだ。だから文量がすごくあるのだ、と書こうと思ったが、実際に読んでいると、毎日更新を続けるための更新というのもけっこうあって、2行くらいのジョークなんかで済ましている日も少なからずある。そういう日々の記事と、最近の、3日や4日ごとの更新だが書き出すとやけに長々と書いていたりする記事では、実は文章量というのはそんなに変わらないのかもしれないと思う。
 それにしても若い。青い。若いときはもっとひねくれているのかと思っていたが、感動したことにはきちんと感動したと言っていたり、社会の悪に対して義憤に駆られていたりと、想像よりもはるかに素直でまっすぐだ。今はもう、そういう感情をあまり抱かなくなったというのもあるが、抱いたとしても、ブログには書かない。これは僕自身の心境の変化ももちろんあるが、時世というのも大いにあると思う。この当時、ブログ、もといその言葉はまだあまり一般的ではなくて、「web日記」みたいな言葉で総称していたような気がするけれど、それが個人の運営するネット上の表現手段としてほとんど唯一だったため、なんでもかんでもがそこに綴られたのだ。今はその手の、社会との接触で感情が動いた主張みたいなものは、たぶんTwitterの領分になっていると思う。
 読み返すにあたり、当時の社会のことや、インターネット世界のことなども、理解を深めるために併せて振り返っており、すると懐かしいワードがいくつも現れて、脳の中の納戸みたいな部分が揺さぶられる。
 いま読んでいる2004年は、2月に「ふたりはプリキュア」が放送開始し、3月に江角マキコの年金未納騒動、4月に東京メトロが発足し、6月に鈴木福と芦田愛菜が生まれ、8月にアテネ五輪が開催され、10月にイチローが262安打、11月に紙幣が新しくなり(野口英世、樋口一葉)、12月にニンテンドーDSとプレイステーションポータブルが発売された。そういう年である。
 インターネット世界、特にブログ界隈のことを見れば、2004年というのが実際ブログ元年みたいなところがあるようで、エキサイトブログ、ウェブリブログ、アメーバブログ、FC2ブログ、そして実はこのbloggerも、この年に誕生している。
 でも僕はこの当時、ブログではなくやはり「web日記」をやっていたと思う。そしてweb日記をやっていたから余計に反発心があったのかもしれないが、ブログという華やかな新サービスに、胡散臭いものを感じていた記憶がある。使っていたサービスは「everydiary」で、タイトルは「purope★papiroの日記」(なんてタイトルだ)だったが、これがいつからいつまでだったかは定かではない。それでそのあとエキサイトに移行したんだっけかなー、と、非公開ながら2004年9月からの記事が残っていて、現在まさに読み返し作業のために使用しているエキサイトブログ、「purope★papiro★cantabile」を読んで思っていたのだけど、ブログの歴史を記載してあるサイトに、「ドリコムブログ」という文言を見つけ、「あーっ!」となった。そうだ、ドリコム。僕はたしかにドリコムをやっていた時期があった。everydiaryからドリコムになって、そしてエキサイトに行ったんだっけ。どうだったっけな。読み返しを進めるうちに、そのあたりのことが記述されていることを願うばかりだ(ドリコムブログは2010年に完全終了したらしい)。あとはてなダイアリー(はてなブログに非ず)をやっていた時期というのも確実にあったと思うのだが、これもページにたどり着けないし、時期も定かじゃない。斯様に草創期というのは混沌としているものなのだな。
 あとブログの歴史のサイトで、2004年はブログの女王と呼ばれた眞鍋かをりがブログを開設した年、という記載があり、「ブログの女王・眞鍋かをり」というフレーズの懐かしさにもぞわぞわした。おもひでぞわぞわだ。